ウィーンの老舗ホテルの味!デンメア・ティーハウスの「ザッハブレンド」実は100年の歴史を持つ!?

先日のクリオ・ルーデンスのイベントのテーマは、19世紀のオーストリア皇妃エリーザベト(シシィ)。飲食にもなるべくその世界をお楽しみいただけるような品を選んでいます。今回デメルのケーキと合わせてお出ししたドリンクの一つが、ウィーンの紅茶屋さん”デンメア・ティーハウス”の「ザッハブレンド」でした。

オーストリアを代表する紅茶ブランド「デンメア・ティーハウス」

ウィーンといえばカフェの街。コーヒーが好まれているというイメージで、「オーストリアの紅茶」と言われてもピンとこない人が多いのではないでしょうか? でも、今回ご紹介するデンメア・ティーハウスは、公式サイトによるとウィーン市内に7店舗、ヨーロッパに28店舗を構える、現在成功している紅茶ブランドなのです。創業は1981年なので、2018年現在、創業40年足らず。まだまだ若い会社といえるでしょう。

アジア1号店の六本木のカフェ

六本木の国立新美術館の傍、六本木ヒルズ方面へ向かう道の途中にデンメア・ティーハウスのカフェ兼ショップがあります。こちらは、アジア初出店となったカフェ。

白壁に赤いロゴと入口の屋根が目を引きます。お店の入口近くまで行くと、素敵な紅茶の香りが外まで漂ってきています。外観も可愛いので、目を惹かれる人もいるかも知れないですが、意外に素通りしてしまう隠れ家のようなお店となっています。

 

お店の実際の行き方は、公式ブログに載っていますので、参考にしてください。

店内は残念ながら撮影禁止なのですが、丁度公式のTwitterに内装写真を見つけましたので、ここにシェアします。

赤を基調としたカラーで、窓も広く取られていて明るく素敵な雰囲気となっています。写真の中で右側に並んでいるのが、カフェのテーブル。恐らく20席もないぐらいの小さなカフェです。

向かい側の入口から入って、写真には写っていませんがカフェと反対側の壁に、色々なブレンドの紅茶やフルーツティー、ハーブティーなどが並んでいます。カフェと紅茶の棚の間に見える、紅茶関連グッズのコーナーも可愛いアイテムが揃っています。

お茶の方もこういう、ウィーン土産的なパッケージの商品もあるので、ちょっとしたギフトにも良さそう。シシィがモチーフのこちらは「ローズヒップとハイビスカスベースのフルーツティが個包装25袋入っています」ということです。ティーバッグシリーズは、他にもモーツァルト・バージョンとクリムト・バージョンもあって、全て味が違うようです。

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デンメアを代表するブレンド「ザッハブレンド」

でも、こちらのお店の一番人気といえば紅茶の「ザッハブレンド」。この記事の一番上の写真に載っている缶がそれです。こちらは、19世紀から続くウィーンの老舗ホテル、ホテル・ザッハーのカフェで現在提供されているブレンドなのだそうです。ウィーンの老舗ホテルの味が日本で手に入る、というのは魅力的ですね。

デンメアのカフェの方でも、看板にも書いてありましたが、「ザッハトルテ&ザッハブレンド」という組み合わせが一番人気のようです。残念ながら私はまだカフェは利用したことがないので、ケーキの感想は書けないのですが・・・。

このザッハブレンド、香りがすごくいいんです。ダージリンのセカンド・フラッシュをベースに、ジャスミンとベルガモットで香りづけしてあるそうです。ベルガモットを使っているので、アールグレイにも近いブレンドということです。飲んだ感じとしても、フレーバーティーが苦手な方でも、アールグレイが飲めるのなら楽しめるのではないかと思います。

でもとにかくこの香りが素敵で、とっても癒されます。お店に入った時のふわっと漂う紅茶のアロマは、こちらのブレンドのものが一番強いのではないのでしょうか。

デンメアのカフェは今は六本木にしかないようですが、ショップは全国にあるようなので、公式サイトなどからチェックして、実際に香りを試してみて下さい。下記はデンメアの公式サイト。

できれば実際の香りを嗅いでほしいと思いますが、お近くにない場合はネットでも買うことができます。

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実は100年の歴史を持つ「ザッハブレンド」

さて、最初にデンメアの創業は1981年と書きました。だから最初はザッハブレンドも、できてせいぜい40年足らずの新しいブレンドだと思っていたのですが・・・。

先日、缶の表面に書かれたドイツ語を眺めていて、”um das Jahr 1900 von Frau Mizzi Thum für das Hotel Sacher…”という文字が目に留まりました。

私はドイツ語は殆ど読めないのですが、ここの部分は「1900年頃、Mizzi Thum夫人によってホテル・ザッハーのために・・・」という意味。ひょっとしたら1981年よりも古いブレンドなのかも知れない!と俄かにザッハブレンドに興味が湧いたのです。

Exquisite Viennese blend, created last century by Ms Mizzi Thum for the famous Hotel Sacher. For decades we exclusively produce this tea according to the original recipe with Darjeeling Second Flush, a hint of bergamot oil and white cornflower blossoms.

https://steepster.com/teas/demmers-teehaus/58096-sacher-blend より

こちらが、ネットで見つけた缶に書かれたドイツ語の英語版。

「Mizzi Thum女史によって前世紀にホテル・ザッハーのために作られた」ということと、デンメアが「オリジナル・レシピに従って」このブレンドを作っているということが書かれています。英語版では「前世紀」としか書かれていませんが(いつ書かれた文章なのでしょう?「前世紀」とは20世紀?19世紀?)、ドイツ語版で「1900年頃」であることがわかります。

デンメアのザッハブレンドについては、こちらのブログ(英語)に、実際のウィーンのデンメアに問い合わせた内容なども含め、詳しく書かれています。興味のある方はこちらもどうぞ。

皇妃エリーザベトが愛したホテル・ザッハー

19世紀のヨーロッパを代表する美女の一人、オーストリア皇妃エリーザベト(愛称シシィ)。ミュージカルの「エリザベート」などでもお馴染みですが、彼女はその美を保つために極端なダイエットに励んでいたことで知られます。食事もまともに取らず、乳清や肉汁などを代わりに採っていたとも伝わります・・・。そんな彼女も、実は甘い物には目がなかったらしく、「皇妃エリーザベトお気に入りのカフェ」が、ヨーロッパの各地に伝わっています。

筆頭に来るのが、ウィーンの老舗カフェ・スイーツ店のデメルですが、ホテル・ザッハーのカフェもそんなお気に入りの一つだったようです。ホテル・ザッハーは勿論あのザッハトルテにも関連があります。関田淳子『ハプスブルク家のお菓子』(新人物文庫、2011)によると、ホテル・ザッハーを開業したのは、ザッハトルテを開発したフランツ・ザッハーの息子とのこと。勿論、当時も今も、カフェ・ザッハーでザッハトルテを頂くこともできます。

そして、上記の本によると、シシィがこのカフェ・ザッハーを利用した領収書が少なからず残っているのだそうです。彼女が60歳で、旅行先のスイスで暗殺されたのは19世紀も終わりに近い1898年のこと。1900年頃に作られた「ザッハブレンド」ティーを知っていたかはわかりません。そもそも彼女が紅茶を飲んだのかどうかも不明ですが(いわゆるウィンナー・コーヒーは好んでいたそうです)、このデンメアのザッハブレンドが、彼女の生きた時代のよすがを伝えていることは確かなようです。