古い映画みたい?!インターメディアテクで蓄音機音楽会

丸の内の商業施設KITTEの2階と3階にある東大の博物館インターメディアテクで開催された「蓄音機音楽会」を聴きに行きました。

「蓄音機音楽会」って?

月に一度、月末の金曜日に、インターメディアテク内のレクチャールームで、博物館が所蔵している蓄音機を使った音楽鑑賞会が開かれています。博物館もこのコンサートも入場無料なので、お仕事帰りにふらりと気軽に訪れることができるイベントです。

今回のプログラムは、ポピュラーなジャズナンバー「サマータイム」をテーマに、作られた1935年から1950年までのアレンジの変遷をたどるという内容でした。私はジャズの知識は全くないので、曲も知らなかったのですが、担当の専門家の方が1曲1曲丁寧に解説して下さったので、色々な背景を含め楽しく聴くことができました! 因みに実はこの曲は元々はオペラ用に作られたのだそうです。

20世紀前半の雰囲気に浸れる蓄音機

私が曲のことを知らなくても蓄音機音楽会が楽しいと思ったのは、蓄音機が奏でる音そのものに時代を感じるからでしょうか? 現代の基準からいえば録音状態は良くないです。音の歪み、割れ、ノイズなどが当たり前ですが、そのこと自体が録音された時代を彷彿させます。考えてみると、古い映画や、または古い時代を舞台とした映画、またはYouTubeなどのWebサイトで、この時代の録音を聴くことはありますが、本物の蓄音機で聴く機会はなかなかないのではないでしょうか?

しかも、詳しくは後で書きますが、インターメディアテクという場所は、内装調度品を帝大時代の東大のものを多く使用しているので、まさにタイムスリップした気分で聴くにはぴったりなのです。

少しずつ暮れゆく夏の夕暮れ……。19時の終了時には、窓の光よりも室内を照らす電球の色が目立つようになっている……。

曲が映し出す時代

今回取り上げられていた1935年から50年といえば、第二次世界大戦前後の時代。「狂乱の時代」と呼ばれる1920年代が、1929年の秋にウォール街で始まった世界大恐慌で幕を閉じ、30年代にはヨーロッパもアメリカも、勿論日本も、次第に戦争の気配が濃くなっていったのです。

一方戦後は、ヨーロッパは二度の大戦で疲弊し、経済も文化も「アメリカの時代」となっていく。「サマータイム」は、1920年代のアメリカの農場で働く黒人たちの生活を反映した歌だそうですが、アメリカで黒人差別撲滅のための公民権運動が起きたのは1950年代ですね。

通常開館中のレクチャールームの様子。博物館の中でこの部屋だけは撮影可能

東京で出会える「驚異の部屋」インターメディアテク

インターメディアテクは、東京大学総合研究博物館と日本郵便が提携して作った産学協働の博物館。ここのレクチャールームにはありませんが、展示室内には、東大が所有している古い標本や研究資料などが所狭しと並んでいます。しかも調度品は大学の古い備品をリユースし、部屋の壁や柱などは古い(KITTEに建て替える前の)東京中央郵便局舎のものだというので、まるでタイムスリップしたような空間になっているのです。

展示方法がまたユニークで、普通の博物館のように整然と整理されているのではなく、動物標本だったり石だったり、模型だったりの所蔵品が隣り合って並んだカオス状態。昔のヨーロッパの王侯貴族たちが珍品コレクションを集めて展示した「驚異の部屋」(ドイツ語でヴンダーカンマー)はこんな感じだったのではないかと思わせます。つまり、私のような西洋史好きには堪らない場所なのです。

以下の記事に沢山の写真と共にインターメディアテクをご紹介しましたので、興味があったらご覧ください。

インターメディアテクの公式サイトはこちら

次回の蓄音機音楽会は、2018年8月31日(金)18時~19時だそうです。

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